ポライトネス入門

http://www.amazon.co.jp/dp/4327377236


対人関係におけるコミュニケーション戦略として、ポジティブ・ネガティブ/上から目線・下から目線の2軸のグラフ内に対外方針をマッピングして、それにたとえばフェイスみたいな名前をつけて各戦略のたとえば行動方針や何かの特徴を考察すると役に立つ知見が得られるかも知れないと思ったのがきっかけで、「ポジティブ ネガティブ フェイス 戦略」でググるとどうやらそれはポライトネス理論という中で論じられていることらしいということを知った。


ポライトネス理論何ぞと軽く調べてみるとたいていは題のポライトネス入門を読めということだったのでAmazonでポチり購入。
中身を読む限りポライトネス理論とはポジティブ・フェイス(他者に受け入れられたい欲求)/ネガティブ・フェイス(簡単にはいわゆるプライド?)を保護する目的で対外的コミュニケーション戦略を決定するというのが要諦で、それぞれ十数個の具体的な行動指針について紹介されている。


単に行動パターンを十数個列挙するだけであれば、まあ知っていれば役には立つかもしれないけどそんなものは新しい英単語十数個覚えるのと一緒でそれ以上の意義は無いのだけれども、指針として自己/他者の各フェイスをフェイス・リスクとして定量化して、それを元に採用する戦略が決定されるんだぜという試みがある辺りが何となく理論っぽい。
量は、相手を良く知っている・知らない/立場の高低/目的の社会的許容度の3つの変数をとる関数ということ。


後半は、前半のそんな理論を背景にしながら日本語を例にとって距離感と言葉の選択について論じている。同様の議論が英語で展開されたものがあったら英語の勉強の足しになるかもしれないと思った。