Windows Server 2012をダウングレードして2008 R2 Enterpriseを利用できるか

Windows Server 2012からのエディション構成としてEnterprise Editionが無くなったのはよく知られた話だとして、現時点では気が早いが Windows Server 2008 のライセンスがもう売られなくなったときに 2012 のダウングレード権はどのように行使できるのだろうと思って調べてみたら、若干興味深い。


まずダウングレード権だが、Microsft社の以下URLの "Licensing & Pricing FAQ" のリンクからダウンロードできるPDFで触れられていて、それによれば Windows Server 2012 "Standard Edition" のライセンスがあれば Windows Server 2008 Enterprise Edition にダウングレードする権利があるということ。


Windows Server 2012 How to Buy
http://www.microsoft.com/en-us/server-cloud/windows-server/buy.aspx


引用すると
"Q14. If I want to use the bits from an earlier version of edition, what are my options?


If you have Windows Server 2012 Datacenter edition you will have the right to downgrade your bits to any prior version or lower edition. If you have Windows Server 2012 Standard edition, you will have the right to downgrade your bits to any prior version of Enterprise, Standard or Essentials editions.
The ability to run downgrade bits does not change the licensing or support terms in which you can use the product; the purchased product (Windows Server 2012) rights apply. This means that the license will continue to cover two physical processors and the virtualization rights do not change."


必要な部分だけ訳すると「もしあなたが Windows Server 2012 Standard edition(のライセンス)を持っているのであれば、あなたはそのbitsを以前のどのバージョンの Enterprise、Standard、Essentialエディションにもダウングレードする権利があります」。
絶妙にわかりづらいのが "bits" の定義で、これは今のところ調べても正確には何かわからないのだけど、大枠、WS2012 Standard Editionのライセンスを使ってWS2008 R2 Enterprise Editionにダウングレードすることは可能だと言っている。


そうすると、今 Failover Cluster が要件で Enterprise Edition の購入を検討している場合は WS2008 R2 Ent のライセンスを購入するべきではなく、WS2012 Std を購入してダウングレードするのが賢いライセンスの買い方だという事になる。


それは随分大盤振る舞いだなMicrosoftと思ったが、実際にダウングレード権を行使するにはMicrosoftのダウングレードサイトに行ってプロダクトキーを入手する必要があるので、それを調べてみると、とりあえず2012.09.29日現在ダウングレードサイトではWS2012のダウングレード権行使の対応はされていない様子。9月30日に何か制度を変更するとか書いてある。


Windows Server Downgrade
http://www.microsoft.com/windowsserver2008/en/us/downgrade-rights.aspx


ちなみに、もしかして Windows Server 2012 のプロダクトキーを使って WS08R2 のライセンスアクティベーションが出来たりするのだろうかと思い、Technet Plusのプロダクトキーを使って試してみた。
先に述べた若干興味深い部分というのはここで、Windows Server 2012 からプロダクトキーに使用される文字の制限がなくなっているらしく、以前は使用できなかった "EUIOASLZN" の文字がプロダクトキー入力画面で入力可能になっている(画面)。自分が入手した WS2012 のプロダクトキーは Standard も Datacener もプロダクトキーに "N" の文字が含まれていたのだが、それを WS2008/WS08R2 に入力しようとすると "使用できない文字です" とか言われるため WS2012 のプロダクトキーを以前のバージョンの Windows Server に入力することは不可能である。
なので、もしかしてWS2012についてはプロダクトキーを眺めるだけでそれが WS2012 のものかどうかが判別できるかもしれない。